FILE NO 321 宮崎と周辺の植物
イイギリ Idesia polycarpa Maxim.
飯桐 イイギリ科
撮影日 2005.5.29
撮影場所 田野町

  イイギリは飯桐で、昔、葉で飯を包んだことによるとされているが、詩歌やこの樹木に関する記述は意外に少ないようだ。
  貝原益軒著の大和本草(宝永6年:1709年)以降の記録に、さまざまな名称で出てはいるようだが(図説草木名彙辞典、木村陽二郎著)、その葉の実用性や果実の鑑賞性を考えると、もっと昔から資料に出てきてもよさそうな気もする
  たとえば有名な万葉集の有間皇子の歌、「家なれば笥に盛る飯を草枕 旅にしあれば椎の葉に盛る」では飯を椎の葉に盛っているが、葉の大きさだけからすればイイギリの葉の方が大きくて効率的とも思われる。
  しかし、イイギリは椎の木のように気軽に利用できるほど道の周辺に沢山は生えていないので、歌に読まれるほどポピュラーな植物では無かったろうと思われる。飯を包むのに葉を利用していたとしても、必ずしも広く行われていたわけではなかったとも言える。
 晩秋、葉を落とした枝から多くの赤い果実が垂れ下がった風景は、この時期の山中では特に目について面白いが、宮崎では公園や広場等に植栽されているところを見たことが無い。   
画像1 輪状に段をなして枝を広げる高木で、樹冠は不整で大きく枝分かれして横に広がる。
画像2 高さ15mほどにもなる雌雄異株の落葉樹で、大きな葉の間から垂れ下がった花序は、色が葉に紛れて判りにくい。
撮影:(2003.5.24 田野町)
画像3 長さ30cmほどの雄花の花序。ぎっしりと付いていた花もかなり落ちて、隙間の多い花序になっている。撮影:(2003.5.24 田野町)
画像4 花序は円錐状に伸び、1〜2回枝分かれする柄の先に花をつける。 画像5 1.5cmほどの雄花。花弁はなく、卵形の淡黄緑色のガク片5と、多くの雄しべがある。
画像6 葉がかなり落ちて、良く見えるようになってきた独特の赤い果実の風景。
撮影 画像7も:(2001.10.27 田野町)
画像7 葉があるうちの果実は、遠くからでは葉に隠れて見えにくいが、近くで見れば濃い緑の葉に赤い果実が映えて鮮やか。      
画像8 葉は卵心形で先は鋭く尖り、表面は濃い緑色で、葉柄は長く葉身同様20cm近くなる。 画像9 下面は基部の掌状脈から伸びた脈がはっきりしている。
画像10 葉柄の先(葉の付け根)に楕円形をした腺体が2個ある。 画像11  若い葉柄は途中にも腺体が出ることが多い。若い緑の枝には皮目が目立つ。
画像12 葉の下面脈腋には毛がある。 画像13 葉の鋸歯と葉脈の様子。
画像14 樹皮は柔らかく小さな皮目が多い。 画像15 枝の様子。葉は互生して上方に車輪状に開き、葉柄は赤みを帯びることが多い。
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